第6章 デート
赤「やはり面白いな、 紫乃は。」
後々わかるさ、と笑いながら髪を撫でられる。
ビクリと反射的に動いてしまう。
手が、するすると頬に触れた所で赤井さんの携帯が鳴った。
赤井さんが離れ携帯を見る。
赤「すまない、仕事の電話だ。」
そう言い電話に出ながら遠くに離れる。
携帯の文字が見えてしまった。
電話の相手は“ジョディ”と書かれていた。
(ジョディさんって確か………赤井さんの元恋人だったよね……?まだ好きなのかな……。)
昨日の事もあり、悶々と考え込んでしまう。
赤井さんが戻ってきた後も考えてしまい集中できず水族館を最後まで楽しめなかった。
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赤井side
(電話を終えて戻ってきたが 紫乃の様子がさっきと違う。
なにか悩んでいるような、いや………考えているのか……?)
赤「待たせたな。」
『…………いえ、大丈夫です。』
色々なコーナーを巡ったが、 紫乃からはもう感嘆の声は出なくなっていた。
見慣れてしまったのか………、あまり集中出来ていないように見える。
並んでアシカショーを見たが、やはり感嘆の声は出ない。
(面白くないのか………?だが電話で離れた時から、この調子だ……。仲間が居て何か指示を受けたか?もしくは………安室君という可能性もあるな……。だが電話中も遠くから見ていたがそんな様子は無かった。)