第4章 おらふくんの場合
「ねぇねぇ、起きて?」
⛄「ん、声……?」
⛄「あれ、ここどこやろ?」
⛄「見たことない部屋みたいなんやけど……」
「ばぁっ!」
⛄「うわぁ?!」
⛄「……え、何、さっきの?」
バチン!
⛄「えっ、消えた……?」
⛄「ちょっと暗いんやけど……」
⛄「電気点けな……」
パツン……。
⛄「わぁ?! 今度は明るくなったやん!」
⛄「なんなん、ここ……」
「えへへ、びっくりした?」
⛄「え、誰……?」
⛄「子どもがおるんやけど」
「あたしは〜、幽霊!」
⛄「え、幽霊?」
「うん、そーだよ!」
⛄「そっかぁ、幽霊やったんかぁ」
⛄「あはは、びっくりしたなぁ」
「びっくりしたの?」
⛄「びっくりしたよ。だって目の前にバーンって顔が出てくるんやもん」
「ほんとにほんとにびっくりした?」
⛄「ほんとにほんとにびっくりしたよ」
⛄「なんでそんなに疑ってるん?」
「だっておにーさん、ニコニコしてるから」
⛄「あー、これね」
⛄「なんか分からんけど、笑っちゃうんよね」
⛄「こっちはびっくりしてるんやけど」
「ふぅん、そうなんだ」
「じゃあまた来年びっくりさせてあげるね!」
⛄「え、来年?」
⛄「なんでまた来年なん?」
「それはね〜、びっくりさせるため!」
⛄「びっくりさせるため?」
⛄「変な理由やなぁ」
「変じゃないもん!」
⛄「あ、ごめんな? 怒らせちゃったかな」
「次はとびっきりびっくりさせてあげるからね!」
「ばいばい!」
⛄「ばいばい……っていきなり消えたやん」
⛄「あの子、本当に幽霊やったんやなぁ」
⛄「幽霊ってあんなにかわいい女の子なんやろか」
ちょっとズレてる? おらふくんだったとさ☆