第1章 きっかけは
いつだったか、確かに俺はどこかの「いまおみ」の日につけられている気配がしていたのは覚えている。
まぁ配信のあとすぐ出るものだから空港に行けばすぐバレるのかもしれないが。俺はあまり気にはしていなかったのだ。
俺が留守の間に、自宅に誰かが土足で上がったような痕跡を見るまでは。
盗まれたものはないし、散らかされたこともない。ただソファに誰か座ったような感じはしてしばらく座らないようにしたことはあったが。うっかりドズルさんと飲みに行った時に口を滑らせたのだ。
「ドズルさんは一人じゃないんだから、誰かが入ってくることないでしょ」
前後の会話はよく思い出せないのだが、鋭いドズルさんは俺のこの言葉を聞き逃さなかった。