【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第5章 新たな出会い※
ソレが回帰を繰り返した、実績だけが積まれていった結果だと、七海も納得できた。
悟は七海の報告よりも、気にとられる事があるのか、口元を抑えたまま、腕を組んで七海を見ている。
「?」
七海はその悟の行動に、不審な顔をして、悟を見返した。
「…それより七海さぁ…。」
グッと悟の顔が寄ってきて、七海の顔を覗き込んだ。
相変わらず悟のこの距離感に馴染めない七海の肩が、少しピクッと上がった。
「スーツもネクタイも昨日と一緒で…どっかに泊まった?」
口元は笑っているのに、悟の出す空気に、七海は目を顰めた。
やはり最初に感じた通り、面倒な案件だった様だ。
「…真実の愛とやらに付き合っただけです。」
七海はそう言って、悟の胸を押すと、そのまま歩き出した。
その後ろ姿を見て、悟は大きく息を吐いた。
「…困ったねぇ…。」
悟はそう呟くと、仁美の言葉を思い出す。
『困ります五条さん、私には関与しないと、お約束いただいたじゃないですか。』
グッと腕を組んでいた手を強く握った。
「とっくに、お願い分の報酬は使い切った様だ。」
悟は人差し指で、トントンと自分の腕を叩いた。
(馬鹿な仁美だ、言ったはずなのに…。)
「僕の忍耐力に期待するなと…。」
悟はそう呟くと、昨日の報告をしに、学長室に向かっている仁美に目をやった。
仁美までの距離は遠く、彼女は悟に気が付いていない。
「僕は少し、君を甘やかし過ぎた様だ…。」
そう言って悟は、仁美から目線を外して、そのまま乙骨憂太の元に向かった。
その悟の不穏な動きに、仁美はまだ気付かなかった。