【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第19章 最終章
「はい、全くコソコソ小細工してくれたよね…。」
悟は術式を消す呪具を直哉に返しながら言った。
「………………。」
直哉はそれを受け取りながらしばらく呪具を見ていた。
仁美自身に返しに来いと言って、悟が持ってきたのだから『そう言う事なのだろう』。
彼女の最後はどうだったのだろうか。
その時こそ悟から離したかったのに、どうやらそれは叶えられなかった様だ。
チラッと悟を見ても、特別落ち込んでいるとか、疲労している様子は無かった。
「……遥との結納どないすん?…」
今そんな事を聞くだろうか。
いや、今じゃなきゃ駄目だろう。
これ以上引っ張っても傷付くのは彼女だ。
どうせこの男は仁美しか愛せないのだろう。
「……彼女が嫌じゃなければ進めていいよ…。」
「は?!」
悟の言葉に思わず直哉は声を出した。
その直哉の動揺に悟はたいした事の無い様に平然と言った。
「…僕の愛は全部仁美が持っていっちゃったから、それでもいいなら嫁ぎにくればいい。」
そう何処か遠くに目線を送りながら悟は言った。
直哉は余計訳が分からない。
「そんなで、わざわざ結婚して縛られてどないすんの?」
まだ遊び回った方がまだ納得が出来る。
直哉の言葉に悟はニコッと笑った。
「…そんなの…。」
仁美を嫉妬させる為に決まっている。
ゆうても仁美はポンコツだから、何処かの世界で悟を探したとしても時間がかかってしまうだろう。
僕はここから仁美を刺激してやる。
嫉妬深い仁美には有効だろう。
早く仁美の魂が僕を見つけられる様に。
そして。
早くまた愛し合える為に。