• テキストサイズ

【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第18章 百鬼夜行


傑の口調も、仕草も、全て悟の記憶を刺激して嫌になる。

小さな小さな懐かしさを感じ始めたばかりなのに、この時間を終わらせなければならない。

この感情が大きくなり、2人のこの感情が呪いにならない様に。

悟はゆっくりと目を伏せた。

「……何か言い残す事はあるか?」

「……誰がなんと言おうと、猿どもは嫌いだ。
……でも別に…高専の連中まで憎かった訳じゃない…。」

自分が辿った道に後悔は無かった。

傑は『そうする事』しか出来なかった。

彼は真面目過ぎた。

そんな傑に見せた呪術界の現実は残酷過ぎて…。

「ーこの世界では私は心の底から笑えなかった…。」

むしろ自分が存在していいのか疑問だった。

生きていていいのだろうか。

呪霊を取り込んで。呪霊を祓って非術師を守る、そしてまた呪霊を取り込む。


誰の為に?

何の為に?

自分が自分を生きていていいいと言う道を見つけた。

後は進むだけだった。

その世界でやっと傑は息を吸うことができた。

歪むことしか出来なかった、自身の身を削って疲れ切った男の告白。

そんな傑の呪いを受け取る事が出来るのは、目の前の悟だけだ。

悟だから傑は自分の胸中を話す事が出来た。


どこから間違えたのだろう?

その答えが分かって戻れたとしても、正しい道が待っていたのだろうか。

答えはもう2度と出ない。

共に過ごしてきた日々だけが残る青春の中。

いつ思い出しても2人は笑っていた事しか記憶に無いから。

何もかも変わってしまった2人でも、変わらない気持ちが一つだけあった。

「……傑。」

「?」

悟の声に傑は顔を上げた。

その名前は散々呼び慣れた。

そして今の呪術界にとっては忌むべき名前。

/ 360ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp