【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第18章 百鬼夜行
天真爛漫な笑顔で会いに来る仁美を、いつしか心待ちにしていた。
呪術界から離脱して、非術師を殺していく毎日は。
やっと自分の呪縛から解き放たれた様で、とても生きやすい世界だった。
何も後悔は無い。
だけど、そんな日々の中。
突然現れた仁美に恋をした。
それは初めて乾いた心を満たしてくれる時間だった。
自分の生に一生懸命で、破天荒な行動をする仁美にいつも気が気じゃ無かったけど、それはとても幸せな時間だった。
「……仁美、聞いて?」
どんなに傑が宥めても仁美は首を振るだけだ。
「…私は死なないよ、仁美が居るとかえって動きにくいんだ。」
傑の言葉に仁美は顔を上げた。
仁美の顔を見て、傑はニッコリ笑う。
「…悟が追うのは君かもしれない、そしたら私は1人でもここから出られる。」
悟がそんな事をするなんて思ってもいないのに、仁美を説得する為にそんな言葉が出た。
「絶対に迎えに行くから…、私は仁美と違って嘘を付かない。」
そう言って傑は仁美にキスをする。
揶揄う様に傑はそう言うと、仁美の涙を拭った。
……もう時間が無いのは分かっている。
傑はどうしても仁美に伝えたい言葉を言った。
「…仁美絶対に諦めないで、君は死なないから。」
出来ればそれは自分の横で確認したかった。
でもどうやら出来ない様だ。
まだ首を振り続ける仁美に、傑は呆れた様にため息を吐いた。
この言葉が仁美の呪いになると分かっているのに。
どうしても今伝えたかった。