【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第18章 百鬼夜行
「総力戦だ!今度こそ夏油という呪いを完全に祓う!」
「……とか…息巻いでんだろうなぁ、あの脳筋学長。」
12月24日。
百鬼夜行当日。
新宿のビルの上、大通り、至る所に呪術師達の姿があった。
その呪術師達の目線の先には、傑がこの10年かけて集めた呪詛師達がお互いを警戒しながら佇んでいる。
「……あの女来ないし…。」
そう菜々子は顔を歪めて呟いた。
菜々子が指しているのは勿論仁美だった。
仁美は戦力にはならなかったが、悟の足止めとしてミゲルと配置されていた。
そこに百鬼夜行当日に仁美は姿を表さなかった。
すぐに菜々子から傑に連絡が入る。
当然その場に居ると思われていた傑は、呪術高専へと続く通路でその報告を受ける。
「………全く…君は本当に言う事を聞かない…。」
傑は仁美に呟く様に声を出した。
この乱戦に乗じて悟から逃げたのだろうか。
初めからソレが目的で自分に近付いたのかもしれない。
傑はため息を吐くと足を進めた。
どっちにしても今は目の前に大きな目的がある。
仁美の事を考えるのはその大義を終わらせたからだ。
「お互い本気で殺り合ったら勝算は3割っとところかな…呪術連まで出てきたら2割も満たないだろうね。」
傑の算段は常に冷静で、自分の置かれる状況を冷静に分析する。
しかしその算段は、あくまで真っ向勝負でぶつかった時の話だ。
「だが、そのなけなしの勝率を九割九分まであげる手段が、一つだけあるんだよ。」
傑が散歩をする様に歩く後には、警戒が薄くなっている高専の中にも、配置されていた補助監督達の死体がそのままだった。