【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第17章 異榻同夢②※
「……どう言う事ですか?伊知地さん……。」
仁美は目の前の光景にただ唖然として伊知地に聞いた。
深夜の伊知地からの電話。
それが緊急だと分かっていたから出た。
そして連れて来られた悟のマンションで見た光景は。
リビングに倒れながら胸を押さえて苦痛に顔を歪ませていた悟だった。
「……分かりません、仕事の後急に苦しみ出して……。」
伊知地の言葉で悟をもう一度見ると仁美をぎゅっと目を歪ませた。
「…私じゃ無くて入家さんを呼ぶべきじゃないですか?」
仁美は伊知地を睨みながらそう言った。
「五条さんが…貴方を呼ぶ様にと…。」
悟のこの症状にかなり動揺している様だ。
まともな判断ができなかったのだろう。
実際仁美もこんな悟を初めて見た。
「……とりあえずベットに置くのを手伝って下さい…。」
悟が硝子を呼ばないなら、この症状は仁美関連の呪いだと言う事は分かった。
2人で体の大きい悟を担ぐ様に引きずった。
何とか悟をベットに寝かせると、一先ず安堵のため息が漏れた。
「?!」
グッと悟の手が仁美の腕を掴んで自分に引き寄せた。
ベットに倒れる様に悟の腕の中に収まると、彼の体が異常に熱くて、コレが仮病ではない事はすぐに分かった。
「………伊知地……もういい……。」
悟は荒い呼吸の中、力無くそれだけ言うと、伊知地を家から追い出した。
「………………。」
その後も悟は仁美を抱き締めたまましばらく動かなかった。
耳元で聞こえてくる悟の息が整ってきて、爆発しそうだった心臓の鼓動も落ち着いてきた。
仁美はそれが分かるから、しばらくそのまま悟の腕の中にいた。