【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
「……凄いな仁美……ドロドロや……。」
嫉妬に歪んだ顔でさえ綺麗な仁美の顔に満足そうに笑って言った。
そう言った直哉が仁美の顔に涙を拭う様に触れてくる。
その手さえもう煩わしくて仁美は眉間に皺を寄せて直哉を睨んだ。
「そうやな、あんたはそっち側にはいかへんな。」
顔を歪ませて必死に自分の欲望と戦っている。
その感情を受け入れたら悟の思うツボだろ。
こんな茶番自分の所まで堕ちて欲しい悟の策略に決まっている。
だけどどうだろうか。
そんな事すら頭に浮かばない位嫉妬に狂ってるのに。
目の前の仁美は必死に抗っている。
(1人で足掻いとき五条悟。)
仁美は絶対にそっち側に堕ちない。
20年仁美を縛った代償は1人で抱いたれ。
それがどない地獄の様な苦しみでも、仁美は絶対にそっち側にいかせへん。
その呪いに身を堕としていない男達がまだ仁美の側に居る。
その筆頭が自分で無くても。
仁美のこの苦しみを和らげる事に自分が足りないとしても。
五条悟vs総当たり戦だ。
この女は強かにその感情を他の男に向ける術を知っている。
「……はっ…直哉さん……。」
仁美から伸ばす手を握って直哉は嬉しそうに微笑んだ。
伸びた手にキスをして仁美に求められるままその唇にキスをする。
悟の為に流した涙の味は気分が良く無い。
ああ、自分では彼女の涙は止まらない。
コレがあの男なら涙を止められたのだろうか。
京都に来てすぐに会いに行ったあの着付けの男。