【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
好きだと囁くと仁美の中が吸い付く様にしまり。
縋り付いてくる腕はキツくなるほど、たまらなく気持ちを昂らせる。
「…はぁ…はぁ…。」
お互い浅い息を吐いて抱き合いながら快楽に身を任せる。
何度も達している仁美の中で限界にきた直哉が声をあげる。
甘く切なそうに声を漏らして仁美の中で大きく果てる。
「……あっ……は……はー……はぁ……」
震える体を仁美に預けて、快楽が治るまでキスをしながら息を整えた。
泣き止んでいると思っていた仁美の目からまだ涙が出ているのに気が付いて、直哉はそっと涙を拭いた。
直哉の優しい手に目を瞑って仁美は思った。
自分が知っている悟は、悟自身知らないんだ。
愛していると触れた手も、声も、温もりも、全て自分だけの記憶だ。
今世の悟が愛していないと言うならそうなのだろう。
…だけどせめて。
愛されていたと、幸せだったと感じた記憶はそっと持っておこう。
もう決して溢れ出ない様に蓋をして。
呪いが解呪出来たら、いつかいい思い出だったと懐かしめる様に。
それだけで充分だ。
後は悟が遠くに行ってくれればそれでいい。
目に入らない位遠くに。
どうせ彼の幸せを願う事なんか出来ないから。
私の目に入らない場所でどうか幸せにならないで。
私を忘れないで暮らして欲しい。
仁美はそんな自分の思いに苦笑した。
そしていつかそんな風に思っている悟を懐かく思える位。
今世は自分が幸せになりたい。
仁美はそう願いながら直哉の腕をギュッと握った。
そんな日は来ないと分かるのに、たいして時間はかからなかった。