【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第14章 真実の相手②※
情事の後に直哉がお風呂に連れて行ってくれた。
廊下に出た時に大きな庭を通って、仁美はまだ時刻が夕方頃だと気が付いた。
悟から直哉に渡されて半日しか経っていない様だ。
なんだか何日も前の様に感じた。
「……男の着付けをした事は?」
「……無い…。」
「はっ、脱がすの専門か。」
仁美の着物の着付けをしながら直哉は笑いながら言った。
その腕には術式の模様がまだハッキリ残っていた。
その模様が見える度に仁美の胸がギュッと痛んだ。
「あんた細すぎて詰め物せんと帯がよれるわ。」
ギュッと帯を締めて直哉が言った。
確かに出来上がった帯は凸凹になっていたが、何処に行くわけでも無かったからこれで良かった。
太鼓を結ぶと直哉は仁美を自分の方に寄せた。
「男モノの着付けも覚えよか。」
「……先生は誰でもいい?」
仁美の言葉に直哉は複雑な顔をする。
きっとそれは脱がし方を教えた相手だろう。
はぁ…。
直哉はため息を吐いて仁美の顎を掴んだ。
「あんた真面目にやる気あるん?」
「……………。」
仁美は直哉の言葉に答えなかった。
何かもう疲れた…。
悟以外の情事を楽しめたのは回帰の最初だけだ。
今は解けない術式を見る度に心が擦り切れる気持ちになる。
「……まぁ俺も…。」
仁美の腰をギュッと掴んで直哉が顔を埋めた。
「悟くんの顔が浮かんで全然集中出来へんかった。」
顔は別嬪なのに…と呟く直哉に仁美は苦笑いしか出来なかった。
そんな直哉を見て自分の術式は解けなくても、彼だけでも解いてあげたいと思った。
(……その為に私が出来る事…。)