【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第13章 真実の相手※
その日は京都でホテルを取った。
仁美は部屋に入りカードキーをサイドテーブルに置くと。
一緒に部屋に入って来て、不機嫌そうに窓から京都の夜景を見下ろしている悟に目をやる。
……不機嫌なのだろうか。
アレからずっと無言で、仁美と目を合わせようともしない。
不機嫌なんだろうけどそれだけでは無い混濁した感情が悟から感じられる。
無理も無い。
当人の仁美だって、気持ちの整理も頭の整理も出来ていない。
「……何か飲む?」
仁美はそう悟に聞くと備え付けの冷蔵庫を開けた。
冷蔵庫の中身には悟が好みそうな甘い飲み物は無い。
仁美は目を細めるとスッとビール缶に手が伸びた。
その仁美の手を悟が止めた。
「……先に話をしよう…。」
いつもより声のトーンが少し低かった。
仁美は目を細めて冷蔵庫を閉めた。
そのまま仁美の手を握ると悟は仁美を抱きしめた。
悟の腕の中で顔を上げて彼の顔を見た。
目隠しをまだしているが、今悟がどんな顔をしているのか何となく分かる。
仁美は手を伸ばすと目隠しに触れて彼から外した。
眉間に皺を寄せて何かを我慢して辛そうな悟の顔に、仁美の目は細くなった。
「………あいつ…… 仁美と結婚するって…。」
「………うん……。」
普段の悟ならすぐに直哉を何処かに飛ばしていたかもしれない。
グッと仁美を掴む手は、あの時直哉にたいして握っていた悟の拳を思い出せる。
かなり悟は我慢してくれていた。
それは全て仁美の為だと分かっている。