【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第8章 真実の愛※
ケルンの一夜から、文字通り悟はご機嫌だった。
あの日は結局、朝まで離してくれなくて、帰りの飛行機の中では、死んだ様に寝た。
その間悟は、ずっと仁美に触れてられて、幸せだったそうだ。
日本に帰って来て、別れる時は、すごく大変だった。
「このまま家に一緒に住もう。」
悟は仁美の腰を掴んで、仁美の手にキスしながら言った。
空港で、公開プロポーズの様な羞恥プレイを受ける。
終いには、仁美がイエスと言うまで、ギュッと抱き締めて離さない。
降り注ぐ悟のキスが、頬に何度も繰り返されるのを、通行人達に写メされて、仁美は苦笑いも出来ない。
「『五条さん』、アレはお願いです。」
そう言って、仁美は悟の胸を押し戻す。
別に悟を受け入れた行為では無い。
それがとても甘美な時間だったとしても。
今世での期間は後10ヶ月、1日でも無駄に出来ない。
(最終は傑と一緒に死のうって思ってるけど、それまでにはやれる事はしたい。)
そのやれる事を邪魔する悟に、お願いしたまでだ。
仁美に押し戻されて、悟はジトッと仁美を見る。
本当に往生際が悪い。
自分と仁美は呪いで縛られている事を言ってしまおうか。
悟が仁美を睨んでるいると、仁美が顔を上げて悟を見た。
仁美と目が合えば、悟は咄嗟に笑顔になる。
「………五条さん…約束お願いしますね。」
悟の態度が少し気になったが、仁美は念押しの為に、悟に言った。
「…分かってるよ。」
悟は仁美にお願いされた事を思い出して、面倒くさそうに、頭を掻いた。
「……………。」
(まぁ、約束は守ってくれるだろう…。)
仁美はそう思いながら、悟に背を向けて、そのまま空港を後にした。