第2章 余命宣告
「すっげぇな。八雲さん。強ぇわ」
「まぁねぇ。こっちは宿儺がかかってるからね。ちょっと頑張ってみたよ。」
八雲は座り込む虎杖ににこりと笑いかけた。そして、五条に向き直るとその笑顔を顔いっぱいに広げた。
「先生。約束だよね?」
壁に寄りかかって2人を見ていた五条はため息を着くと悠仁を見た。
「悠仁。5秒だけ宿儺と変わって。5秒たったら戻っておいで。」
「おう!」
虎杖の返事と共に黒く紋様が浮かび上がってきた。
虎杖の目は赤く光り、一気に部屋の空気が禍々しく変わったことに八雲は冷や汗を流し、興味本意で宿儺との対戦を頼んだ事を少し後悔していた。
(5秒だけど…ワンチャン死ぬかも)
「八雲気をつけてね〜」
「分かっ…」
言い終わる前に、目の前に来た宿儺の打撃によって八雲の身体は勢いよく後方に飛んだ。八雲は壁に激突し床にずり落ちた。
「えっ!八雲さん大丈夫?!」
大きな亀裂が入った壁の下で気絶している八雲見て、宿儺と変わった虎杖は慌てた。
「八雲なら大丈夫だよ。気絶してるだけだからね。受け身も取ってたしね。」
五条は伸びている八雲を抱えながら言った。
「じゃあ、僕は八雲を硝子のとこに連れてくから悠仁はまた映画鑑賞再開ね。」