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拝啓愛する皆へ。私の命は3ヶ月の模様です。

第7章 気まぐれ


貰ったドーナツを4つ食べて、お腹いっぱいになって医務室の椅子に座ってゆっくりしていると扉がコンコンとノックされる音がした。五条先生はさっき出ていってしまったし、硝子さんも少し席を開けると言ってかれこれ30分くらい帰ってきてない。




どうするものか考えあぐねていると、もう一度コンコンと鳴った。私は立ち上がって、そっと扉を開けた。




「硝子さん、いませんよ…?」




扉の先に立っていたのは虎杖君だった。




「お。八雲さん。大丈夫?」






「うん。何ともないよ。運んでくれてありがとね。」





細く開けていた扉を大きく開いて、虎杖君を中に入れた。





「八雲さん宿儺になんかされた?」





私の目の前の椅子に座ると虎杖君は真剣な目で私に言った。そりゃあ、気が付いたら私を抱えていたんだからそう考えるか。






「何もされてないよ。ただ運んでもらっただけ。」





「ふーん。それならいいや。八雲さんっていつ帰るの?」




虎杖君の言葉に返す言葉無かった。私は明日死ぬかもしれない。だからいつ帰るとかそう言うのは全然予定にないわけで。





「ん〜。どうだろう…。予定が無いというか帰れないと言うか…。」





私がごにょごにょと喋っていると、虎杖君は笑って言った。




「帰る予定無いなら、もっと元気なったら俺の相手してよ!前約束したよな?」




違うんだよ。虎杖君。私、死んじゃうから…。





どうしても約束するとは言えなかった。なんて答えたらいいか分からない。私が俯いていると、何度も聞いた事がある声が浴びせられた。
威圧的であるのに、慣れのせいか怖くもなんともない。





「おい。小娘。」





びくりと肩を震わせて、顔を上げると、虎杖君はもう虎杖君ではなかった。赤く目を光らせ、不機嫌そうに頬杖をついている。




「急に話しかけないでよ。私は虎杖君と話してるつもりだったのに。」




「ふんっ。貴様が答える気配が全くないうえに、小僧も何も言わぬからな」





理由になってないし…。





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