第5章 宿儺と私。*
どうしよう。3ヶ月で宿儺と殺り合うなんてできる気がしないんだけど。五条先生に頼もうかなぁ。でも、なんて言って修行つけてもらうんだよ。
''宿儺と3ヶ月後リベンジマッチするので修行つけてください!''
いやいや。かんちゃんにぶちギレられちゃうよ。呪具も壊しちゃったし…。ていうか、まだ謝ってないな。どこ行ったんだろ。
全然かんちゃんに会ってない。生きてるって言ってたのに…。嘘?いやいやそんな嘘つくわけないか。
どうしよう。なんて言えばいいかな。
ホテルのベッドでごろごろしながらかんちゃんの帰りを待っていると睡魔が襲ってきた。
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あまりの冷たさに目が覚めた。ホテルのベッドで眠ったはずなのに、周囲は真っ暗で、水面が私を映していた。波が立ちぐにゃぐにゃと水面に映った私が歪んだ。
デジャブ
つい最近こんな目にあった。上から声が降ってくる。
「おい。小娘。」
ニヤニヤと笑う宿儺が骨の上の椅子に座って私を見下ろしていた。
「まだ、3ヶ月経ってませんけど。呪いの王様はたった3ヶ月も待てないのかな?」
私は立ち上がり宿儺と目を合わせた。
やっぱりこの目には慣れない。ていうか、どうやって私を生得領域に入れてんのよ。
「小娘。お前は変なやつだな。」
「よく言われるよ。今やるってんなら全力で行くよ。」
不敵な笑みを浮かべる宿儺。
怖い。怪しく光めは品定めでもしているようで、次の瞬間には四肢がバラバラになっているのでは無いかと思うほどの圧がある。
目を逸らしたかったけど、逸らしたらきっと噛みつかれる。
なるべくビビっているのを悟られない様に真っ直ぐに宿儺を見据えた。
嗚呼。こんなのに関わるんじゃなかった。そしたら残りの短い人生悠々と過ごせたのに。準一級の癖して宿儺なんかに関わるから。
やらないで後悔するよりやって後悔した方がいいなんて誰が言い出したんだろう。やったのにめためたに後悔してるんだけど。
「小娘。貴様の全力、少々荒々しいな。呪力も乱れ、常に前回で呪力を放出しているだけ。無駄が多い。我を失っていては意味が無いだろう。」