• テキストサイズ

2度目の人生は鉄華団 三日月

第4章 鉄血と血と(1話)





オルガの指示に従わなければ。その為にも三日月のそばにいた方がいい。裏口から逃げていた一軍から信号団が上がり、束の間の静寂がおとづれた。しかし直ぐに現れたのはギャラルホルンの新作のMSだった。

小さなMWで大きな人型のMSを相手にするのは絶望的だった。ティフェはハンドルをぎゅっと握り込む。逃げても何も始まらない。

三日月はオルガの指示で各倉庫へ向かった。

ティフェはシノ達と共に時間稼ぎ。MSの周りを回って不規則に走り出す。弾丸を当てても大した効果はないだろう。MSの登場で被害は格段に上がっている。


「やめろ!!そこには俺の仲間が!!」


横からすり抜けるようにタンジがMSに向けて発砲する。MSは微動だにせずゆっくりとMWに向けた。


『タンジ!!』


撃たれる前に彼が操縦するMWに体当たりして起動を妨げる。衝撃で機体が凹んだような音が聞こえるが足を止める訳には行かない。タンジから狙いを妨げるようにMSに弾を撃って挑発する。


「ティフェさん!」

『撤退して!』


個体物質の空間把握のおかげで何とか不規則な動きができているが、逃げるのに手一杯だった。余裕なくタンジに声をかけるとMWが引いていく。蹴り上げようとした足を避けて撃つか数発当たってもダメージはない。


弾や斧を避けて打ち返すがダメージが入らない。


『ちっ…硬い』


近くで撃っても意味がない。こっちは赤子の首を捻るほど簡単に壊れてしまうと言うのに。進行方向に当たった弾で地面が抉れており機体が傾いた。体制を立て直そうとハンドルを切るとMSが真上から斧を振り下ろしていた。


「ティフェ!」


オルガの声が聞こえる。ゆっくり見えたMSに動くことが出来なかった。2度目の死を前にして思い浮かんだのは三日月の顔だった。

また過去に戻れたら、同じように三日月に会いに行こう。

『ミカ』

うわ言のように呟いた名前。

私の前に現れてくれてありがとう。

また探しに行くからね。




「ティフェ」

三日月の声。
砂埃を巻き上げて地面が盛り上がる。現れたのは白と青いボディーラインのMS。大きなメイスを振りかざし敵機を薙ぎ払う。

バルバトスの一撃はメインフレームやコックピットをそのまま押しつぶし地に沈めた。バルバトスは動くと綺麗な機体だった。

/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp