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銀魂 短編集

第15章 銀八 水分補給


「遅ぇ。」


まさかトシがいるなんて
思っておらず、
慌てて隠すように涙を拭った。


「先に行ってるって……」

「なんとなく待ってた。」


こちらに送られる目線から
逃げるように
目線を逸らしてしまった。


「チッ…行くぞ。」


少し不機嫌そうにしながらも、
優しく手を引かれた。


「てめぇは俺くらいに
しとけばいいだろうが。」


トシには全部ばれてたのか。
何も答えることなく
黙って手を引かれながら歩いた。



また、視界が霞み始めた。
鼻呼吸も難しくなる。



しょっぱいなぁ。



夏は塩分補給も必要だとわかっているけれど、
もっと違う形が良かった。


夏の恋はこんなにも
しょっぱい物だったのか。





「そうそう。
てめぇらはそれでいいんだよ。
もっと単純な青春しとけ。」


校内から外を見つめ、
外を歩く生徒を確認して
銀髪頭の教師は
自分の中の何かを
説得しているかのように
そっと呟いた。
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