第14章 高杉 私の想い
「俺の事を想いたくねェのはわかった。
その先だ、
だからどうしたい。」
「…。」
どうしたい…?
そんな答え考えているはずもなかった。
私は最初の言葉を告げることだけでも
必死だったのに。
「俺のことを忘れてェのか。
それともお前を縛り付けてきた俺を殺してェか?」
再び視線が絡まり、
晋助の口元が軽く上がる。
そして最初と同じように、
そっと頬に手が触れる。
先程と違うのは、
そのまま晋助の顔が近付いてきたこと。
お互いの呼吸が混ざる距離。
なんてズルイ人。
全部わかっているんでしょう。
きっと私以上に私の心をわかっている。
私の中から何かが溢れるのがわかった。