第8章 土方 揺れる匂いとその動き
私は今テンションがた落ち。
元々落ちるほどあがってはいなかったのだけど。
ということで、朝からポカポカと日の当たる廊下で体育座り。いわゆる日向ぼっこ中。
「おい、アキ。見廻りの時間だろうが。行くぞ。」
せっかく幸せな気分になっていたというのに。
このまま眠れたらどれだけ幸せなんだろうと妄想していたのに。
今から太陽の似合わない土方さんと見廻り。の予定。
予定は未定だと思うんだよね。
「嫌です。」
「あ?」
おー怖い。
鬼の副長の眉間に皺がぐわっと寄った。
「嫌ですとかそんなこと聞いてねぇんだよ。行くぞ。」
膝を抱える私の腕をグイっと引っ張り上げた。
私は簡単に身体を引き上げられる。
「いや、土方さん今日はホントに嫌です。今日はまじで無理。ザキとバトンタッチします。」
土方さんのイライラが募っているのが目に見えてわかる。
「山崎は別件で一昨日からしばらくいねぇだろうが。
ったく、今日の理由はなんだ。」
慣れたように問いかける。
何故かっていうと、私がさぼりたい時はいつもちゃんと理由があるから。
まぁ眠たいとか、お腹すいたとか、お腹が痛くなりそうな予感がするとか、お腹すいたとか。
いや、空腹って結構大問題だよ?
腹が減っては戦はできぬ!!!!
まぁ、ご飯食べたら今度は眠たいモードに入るんだけど。
でも結局は無理やり引きずられてお仕事してます。
土方さんも暇なんだから。