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マーメイドバブル

第2章 1日目


「なんか……」


「何か問題でも?」


「いや、なんでもない。流石に人が選んだ料理に文句言うタイプでもないからね」


 類をちょっと目を離すとお皿に乗っていたのは肉だけ。まじか。


「あいつっていつもこんな感じなのか?」


「あーうん。お弁当の時はお母さんが作ったのを持たされてる。らしいけど普段は肉ばっかじゃないけどまあ、今回野菜やたらと多いからね……」


「じゃなくてお前、あいつが野菜食わないの躊躇ないのか?」


「いつもの事じゃない?」


「そうだな……お前もお前で大概だけどな」


 猫くんは俺の皿に乗ったサラダを見た。


「いや、一応お肉も乗せたよ?」


「そうじゃないだろ。肉に対してのサラダの量えげつなくね?……ま、お前がそれでいいならなんでもいいけどよ」


 なんの文句があるというのだろうか?別に問題は無いはずだ。ちなみにあの相席の方たちも戻ってきており、食べていた(約1名何か言いたげだったが無視だ)


「それ言ったら彰人もお肉多めじゃん。てかそれグラタン?」


「それは仕方がないだろ。……これか?これはあそこのワゴンにあったぞ」


「ほんと?でも、玉ねぎあるしやめとこ」


「玉ねぎはあいつみたいに避ければいいんじゃないか?」


 隣を見る類が更に何かを避けていた。


「おいこら。このナス。ナチュラルに人の皿にサラダを乗っけんな。てか、なんで類、サラダ嫌いなのに持ってきたの??類、ずっとお肉のコーナーしか見てなかったじゃん」


「いやー悲しいことにね……間違えて取っちゃって」


 類はえへへと笑いながら頭を書いた。くっそ。こいつめ。


「こいつってそういうとこあるよな……」


 猫くんは遠い目をしながら天井を見つめた。お前も体験したのか(同情)


「はあ……ねぇ、僕ナスと玉ねぎ以外は食べるから……猫くん、お願いできる?」


「……ま、それだけならいいぞ。ほら貸せ」


「はいよ」


 ナスと玉ねぎがのっけられたサラダを俺は食べた。これ、普通のところよりも美味しい。


「ふふ。紫苑が喜んでくれて良かったよ」


「てかこれ、類が戦犯だからね??」


「そうかい??」


 なんでこいつ自覚してないの??

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