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マーメイドバブル

第2章 1日目


「俺の部屋は……ここか」


 目の前に1階のロビーと同様にオシャレで豪華な廊下にそびえ立つこれまた豪華なドアを目の前に心の中でおおっと上げた。これのドアノブやドアの囲い部分は金色で装飾されていた。本当にこんな所に俺が来て大丈夫なのだろうか。


 類や猫くんの部屋は1個下の5階だそうだ。あの二人は同じ部屋らしいけど本当にあの二人が同室で大丈夫なのかは謎だ。部屋を予約したのはえむちゃんで多分ワンダショの女性陣、男性陣に別れるつもりで2部屋予約したのだろうけどまさかこの組み合わせになるなんて誰も想像していないだろうからな……。


 中に入るとこれまた豪華であった。この船の名前、『マーメイドバブル』という名前にあるように人魚姫をイメージした内装になっており、濃いめの水色で統一されている。奥には1人用ベッドが二つ。まあ、これに関してはえむちゃんと寝る予定だったので仕方がないだろう。ベッドとテーブルが置いてある部屋の奥には大きなベランダが着いておりここから海を見おろせるだろう。手前の方にはシャワー付きのユニットバスが着いており、これなら下の階にある銭湯には行かなくて済むだろう。


 猫くんたちとは荷物を置いたら2階の大ホール前で集合するとのことだ。とりあえず貴重品(スマホと部屋の鍵)以外は部屋に置いておこう。


「あ、そうだ。……出てきてもいいよ。……2人とも」


『ここは……?』


『すごい……綺麗……』


 スマホから飛び出てきたのは初音ミク、鏡音レンだ。2人とも人から見られたらまずいが、鍵はオートロック式なので多分誰も入れないだろう。


「ここは昨日言った豪華客船の船室だよ。2人には見せるって約束したからね」


『ありがとう。紫苑。……それにしてもすごい綺麗……』


『あ、紫苑ちゃん、あれは?』


 レンが指を指した先には水色で泡が浮いている時計があった。


「ああ、あれはね、人魚姫モチーフの時計だよ」


『綺麗だね……』


「ね。俺も生まれて初めて乗るからちょっと緊張してる。2階で猫くんたちが待ってるからちょっとだけだけどまた時間見つけたら呼ぶね」


『気をつけてね。紫苑』


「うん。ありがとうミク」


 ミクは先に戻ってしまったがレンだけは残っていた。
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