【HUNTER × HUNTER】アナタの奥まで【R18】
第3章 身体
身体は動かない。
ただ浅い呼吸をしながら倒れる事しか出来ない。
ぼやけた視界の中でイルミは1歩ずつ私に近づいてくる。
こうやって無様に寝転がっている私は彼にもう用済みだと思っているに違いない。
イルミに排除される。他の、私と同じ被検体とみたいに。
彼は私の目の前に来ると片膝をつきしゃがみ私に手を伸ばしてくる。
あぁ、終わるんだな。そう思った私は目を細めて彼を見る
「イ、ルミ、私をころす?」
掠れた声で彼に問いかける。すると彼は一瞬ピクリと無言で反応し、伸ばしていた手を止めた。
「まさか」
そう彼は呟くと私へと手を伸ばすのを止めていたたはずの腕を再び伸ばし始めた。
あろう事かイルミは私の髪を掴み上へと持ち上げ、目線を合わせた。イルミは私の瞳をただじっと見つめた。
それ程私の無様な姿が嬉しいのか彼は目元を細めると、掴んでいた私の髪を乱暴に手から離すと部屋から出て行ってしまった。
それから少しするとイルミは帰ってきた。
ただし、先程私の食事を持ってきたメイドさんを引きずってだが。
そのメイドさんを私の目の前に荒々しく転がすと、彼はメイドさんを鋭く睨んだ
「イルミ様!私は何もやっておりません!」
「まだ言い訳するつもり?」
「言い訳も何もございません!私は何も無実です!その少女が自ら毒を盛ったとしか言いようがありません!」
「だって。ねえ、どうなの?」
イルミは真っ黒な瞳を私へと向けた。
彼には嘘をつくなと生まれた時からずっと言われている。
彼が帰ってくるまでの時間でだいぶ体調が回復してきたみたいだ。
目もよく見えるし普通に話せるくらいには