第10章 【ヒミツの合図】
俺には見せん顔を彼には見せるクセして
俺にしか見せんと思っとった顔を
ソータくんに見せた海人に、俺は、、。
「…マジかぁ。。だるっ。
それはさすがにだるいわ、、」
こんなめんどい自分、知りたくなかった。。
ちゅーか…2人パート、長ない?
カイタくんはいつ出てくんのよ苦笑
そんなこと思っとったら
満を持してご登場されたおかげで
ようやく、落ち着きを取り戻しかけた俺。
3人でのダンスもむっちゃカッコよくて
まだまだ観ときたい!と純粋に思えとったのに
あっという間に終わっちゃって。
さっきまでキメッキメやったくせに
最後の挨拶はやっぱり、最高に可愛くて…。
「…そのギャップはさすがにずるいわ、、」
汗が滴る胸を漉くような笑顔の海人に
落ち着きかけとった俺の心臓は
またもや早鐘をうち始める。
なんやろ。
俺の海人かっこええやろ?!
ってみんなに見せびらかしたい気持ちと、
俺だけのもんにしときたいこの相反する気持ちは…
社長としてはあかんやつなのはわかっとるけど
恋人としてはしゃーないとこ、あるよな。
まぁ、絶対に海人には言わんけど。
海人が帰ってきたときどんな顔で迎えよ、とか
考えとったらなんか…恥ずなってきて。
―――パチン。
消灯という結論に至る。
廊下から海人の気配が近づいてきて
踊ったあとでアドレナリン出まくってんのか
声までデカい(他意は…ないよ笑)
多分…ソータくんとカイタくんも一緒っぽいな。
まぁ、別々に帰ってくんのも変やし
それはそうかもしらんけど…
ヤバい、
想像しとったより緊張しとるわ。。
「あっ、じゃあオレ、ここだから!
今日マジ最高に楽しかったぁ!!
ほんと、友だちで居てくれてありがとう!」
「こちらこそ!」
「そのくだり、さっき聞いたわ苦笑」
なんて、楽屋前で余韻に浸ってる3人。
「じゃあまた近いうちスタジオ集合で!」
次の約束を軽く交わしたあとで
ガチャリと音を立ててドアが開かれた。
「暗っ!廉、いないのー?」なんて言いながら
パチンと明かりをつけてきたから
「付けたらあかん!!」
「えっあっ…何で?」
「何ででも!ほら…はよ消して!」
「うっ、うん、わかった。
何でかわかんないけど…」
納得いかん様子で
しぶしぶ明かりを消す海人。