第1章 【愛し生きること】
知らんかった…。
俺ってヤキモチ焼きやったんやな。。
……嫌やったのよ。
海人のキスが気持ちよければいいほど、
嫌やった。
今までのコにもこんな風にキスしたん…?
そんなしょーもないこと考えるくらい、嫌で。
誰と寝てもこんなん気になったことないのに
今までどんなコと寝たん? とか。
そんなん気になりだしたらさ、
自分で言うたくせにカノジョ
おるんも嫌やなって…。
俺も海人だけのモンでおりたいし
海人も俺だけのモンでおってほしくて。
けど、こんなんカッコ悪くてよう言わんから…
「…廉? 泣いてんの?」
「…泣いとらん。」
「え、や…、泣いてんじゃん?」
海人に気付かれんように下向いとったのに
あっさりバレてんのも悔しいし。
「……見んとって。」
「オレ、、何かした?」
「…しとらんけど、した!」
「ど、どゆこと?笑」
こんな…
言葉にしたらきっしょいこと思ってんのを
察してくれんコイツに腹立つし。
「…嫌や。」
「な、なにが?」
「年下のクセして生意気なのよ、アンタ。」
「年下って…3ヶ月だけじゃん笑」
「…そうやんな。3ヶ月だけやんな。
そのくせ俺がずっと奢ってきとるけどな!」
「…うん、それはありがとうだけど、
なんで急にいま?笑」
「よう考えたらそれもおかしいやん。
海人は、5年前から社会人のくせして
ついこのあいだまで学生やった俺が
社会人に奢り続けとったってことやろ?」
腹立ちすぎて変なコト言いだす
自分にも呆れるし。
ほんま…
どうしろっちゅうんよ、こんなん…。
「…まぁ、確かに笑
廉はそのことが嫌だったの?」
「……そうやない。」
「じゃあ…、なに?」
「…海人、薬かなんか飲ませた?」
「するわけないじゃん笑」
「じゃぁ、なんで…?
俺…なんか、、変なんやけど。」
「…変って?」
「……言わん。」
「言ってくれないとわかんないじゃんw」
「だって…こんなん、おかしいやん。
初めてでもないのに、キスくらいでこんな…
どうしていいんかわからんようになること…ある?」
そんなことを言いながら
縋るような目で見てくる廉はあざとくて。
他人から見たらあざといけど、
本人はそんなつもりないのが
ほーーんと、タチ悪いよね苦笑