第9章 【キミの好きな僕】
「れぇん!おかえりー!」
疲れて帰った部屋に明かりがついとって、
海人が笑顔で迎えてくれるだけで
もう、疲れなんてふっと…ぶ、、
って…え?!
「海人、髪!!どーしたん?!」
「えっ、パーマかけちゃった笑」
「けど、まだ撮影終わってないやん…!」
「ん、でも…確認したら大丈夫だったから。」
「くるくるやん…!
ちゅーか、若返ってるやん!
現地のコみたいやで!!」
廉が、興奮気味にどんどん言ってくるから
お気に召したみたいでよかったなって…苦笑
なんかわかんないけど、廉はオレがパーマをかけると
『現地のコみたいやん』って言いながら
テンション上がるんだけど…、何で?笑
外国人好きなの??笑
と思ってたこともあるけど、
廉は別に洋モノはあんま見ないし。
(なんだったら、オレの方が多分、洋モノ見てる…)
けどね、1つだけわかってることがある。
「海人っ風呂!風呂入ろっ!!」
「…うん笑」
廉はパーマをかけたオレと
やたらお風呂に入りたがるってこと。
本当はもうお風呂は済ませてたんだけど、
嬉しそうに誘ってくる廉に付き合って入る。
2回目のお風呂だったから
かけ湯だけして湯船に浸かると、
髪の毛のあと体を洗いながら廉が話し出す。
「てか、髪切るなんて全然言うてなかったやん!
いつ切っていいよってなったん?」
目に見えてウキウキで話す廉が可愛くて
思わず、顔がにやけそうになるのを我慢する。
「んー、先週…だったかな?」
「えっ?!したらさ、前に話したとき
もう切っていいってわかっとったんやない?」
「ん、まぁ笑」
「言えや、自分笑」
「や、ビックリしてほしかったからさ笑」
「めっちゃビビったし笑」
そう笑いながら廉も湯船に入ってきて。
普段はオレに背中を預けてくるくせに
パーマかけたてのときは決まって、向き合って。
*
パーマかけた海人の何が好きって…
この風呂入っとるときの色気が好き。
緩くかかったウェーブに
雫が滴って…
それを邪魔くさそうに掻き上げる海人が
たまらんくらい好きで。
このほんのちょっとのために
海人のパーマ推してんの、悪い気も
すんねんけど、好きやからしゃーないやん。
そんかしめんどいドライヤーしてやってるんやから
…ええよな?笑