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【KP】BL

第8章 【僕の覚悟、キミの覚悟】






ほんとに今日の廉、どうしちゃったんだろ?
なんだか、やけに…


最近は廉と会話がなくても全然気にならないくらい
当たり前に廉と同じ空間にいれるんだけど、
今日だけは話をしてないと落ち着かなくて
必死に話題を探す。


「撮影、順調…?」

「まぁ…。海人は?」

「うん、いー感じ。現場も楽しいし。」

「あぁ、よかったやん。それが一番よな。
犬飼くんとか…あれからまた口説いてきとらん?」

「廉、それずっと言ってくるけどさぁ、そもそも
前のだってそんなに他意はないハズだし!笑
…廉は?楽しい?」

「元太もおるし、楽しいこともあるかな。
勉強になることも多いし。

けど、100楽しいかっちゅうと…
ちょっと、違うかもな。。
だいぶ、緊張してるわ…ぶっちゃけ。

ファンの子にどんな風に受け入れられるか
わからんのがでかい気ぃもするけどな…苦笑」


そりゃ、そうだよなぁ…。
廉はさ、自分がやりたいことより
メンバーがやりたいことや
ファンが望むことをやりたいっていう
フロントマンの鏡みたいな人で。


そんな廉だから
そこは一番気になるはずなんだよね。


今回のオレもさ、多少、下ネタ的なのはあるけど
陰キャ童貞みたいな感じだし。


廉のそれとこれとはだいぶ違う話だもんね…。


「けど、主演の俺が緊張しとるなんて…
伝わったら良くないやん。

板谷さんもさ、俺以上に覚悟決めてオファー
受けてくれたと思うし。

実際、よく受けてくれたよなぁと思うよ。
多感な年頃の息子さんが2人もおって、
もちろん、ご主人もおってやし。

それが不倫モノやで?
こんな若いピチピチのアイドルと。」

「笑 そういうこと、自分じゃあんま言わん苦笑」

「いや、ガチでガチで!笑」

「まぁ、みんなそれぞれの覚悟を持ち寄って
臨んではいるだろうね。」

「ん…海人は?」

「なに?」

「海人は、見届けてくれるん?俺の覚悟。」


グラスを傾けながらオレに視線を寄越す廉は
オレが見たことのない廉で―――…。


「っあっ…えっと…。」

「見届けてよ。相棒の覚悟。」

「そうしたいのは山々…なんだけど、」

「…見てくれんの?薄情やなぁ、自分…。」

「や、見たいよ?気持ち的には!!
けど、何ていうかさ…廉のそーいうの…
照れちゃって見れない、気がする…から。」









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