第1章 【愛し生きること】
口元を抑えとった手は
呆気なく簡単に開かれて
ベッドに縫い付けられ
俺の耳中を厭らしく舐めあげてくる…。
「……んっ…やめっ…ろって…!」
「……いいの? やめても。」
舌の動きを止めて吐息交じりで
聞いてくる海人…。
「おま…うっざ…っ!」
「ふふっ、…なんてね笑 かわい。」
その言葉を残して
敏感になり過ぎた聴覚に
再び水音を響き渡らせては
俺の脳を蝕んでいく―――…。
「…あっ……かい…っ!」
海人に刺激に反応すんの
我慢できんくて…
こんなん俺…、
海人の思うままやん…って
正直、少しだけ悔しさも感じんのよ。
俺も男やから。
でも、、
そんなんどーでもよくなるくらい
海人に溺れてみたくもあって…。
最後に大きなリップ音を立てて
俺から離れたかと思えば
上着を床にバサッと脱ぎ捨てて
髪を掻き上げながら頭を振って
髪を整える仕草が
やけに色っぽくて―――…。
昔は俺と同じくらいやったくせに
ちゃんと、しっかり漢の背中なの
ほんま、ズルい。
そんなことを思いながら海人を見とったら
俺の視線に気付いたらしい海人が
「どっちだっていいじゃん?
そんなこと。
愛し合えれば、それで…。」
なんて見下ろしてくる顔が
言葉を失うくらい綺麗で―――…。
今日、この瞬間までは
俺の中でパフォーマンス中の海人が
断トツ、カッコよかってんけど、
その海人とどっちか迷うくらいの
海人の色気に圧倒される…。
こんな海人、誰にも見せたくなくて。
俺だけのもんにしたくて―――…。
*
そのまま廉の首筋を舐めあげ
わざとらしくリップ音をたてながら
胸の先端を弾けば
「…ンンッ…かいっ…と」なんて、、
オレの刺激に身を捩っては
キレイすぎる顔を歪めて
苦悶の表情を浮かべる廉が…たまんなくて。
カラダを強張らせて固く閉じている廉の下肢に
オレの足を割り入れ、
膝で廉の滾りに軽く…触れると、、
「……ッ、海人っちょっ…待って…!」
ってオレの腕に縋ってくる廉。