第5章 【キミに追いつくまでの70日】
「かいと…こっち、見て?」
抱きしめていた腕を緩めて廉と見つめ合う。
「俺だけのかいと…。」
廉の言葉に愛おしさが溢れ出る。
正直ね、
男同士でヤるってなったらぶっちゃけ大変で。
挿入に拘らなくたって気持ちよくなる方法は
いくらだってあるし。
気持ちが繋がってればそれでいいって思ってたし。
オレとレンは心がひとつなんだから
カラダをひとつにすることって
そんなに重要じゃないんじゃない?
って…思ってたの。
だけど、
廉にとってはそうじゃなかったんだなぁって。
心から満たされたような表情の
腕の中の廉を見て、思う。
「…レン、動いても大丈夫?」
「やって、みて…?」
「痛かったら我慢しないで言ってね?」
「んっ…」
廉の表情をみながら無理させないように
ゆっくりと抜き挿しすると
自身が壁を擦る度に
包み込む様に密着しようと収縮するレンのナカ…。
「んっ…あぁっ!」
前立腺を擦り上げると
廉が悲鳴にも似た声を上げて
背中を仰け反らせてシーツを掴んで…。
「待って待って!かいっ…
ソコ、ダメやってっ…んっはぁっあっ」
呼吸が浅くなって
限界が近づいてきている
廉の反応を見ながら
律動を速める。
「あっ…ふぁっんっ…かいっあっ…
も、ヤバ…い…からぁっ!」
「んっ…レン…オレもヤバい。一緒、イケる?」
「んっあっ…イケ…るっ…アァッ!」
「…レンっレンッ!イ、クッ…」
爆ぜた瞬間、海人が抱きしめてきたから
俺と海人の肌の隙間に俺のが散って。
普段はこんなベトベトしてんの、
気持ち悪くてたまらんけど
今はこのままこうして
海人の肌のぬくもりを感じときたくて瞳を閉じる。
海人が多分、俺を気遣って
すぐに拭こうと起き上がりかけたのを抱きしめる。
「もうちょい、このまんまおりたい…。」
深く、
肌に潜って…
俺と海人の
境界線が無くなって…
溶け合っていくような
不思議な感覚―――…。
心が繋がっとったら
セックスって
こんなに心地いいんやなぁって…。
そんなん思っとったら
愛しさ溢れちゃって。