第5章 【キミに追いつくまでの70日】
平野「ソファでいい?」
永瀬「…いや、ベッドで。」
確信はないけど、2人がヒメゴトを
してるかもしれない寝室に促すなんて…
廉のやつ、一体どーいうつもりだよ。
おまけに、
寝室のドア付近でずっと見張ってるし…。
海人を寝かせて部屋を後にしようとしたとき
すれ違いざまに廉を睨みつける。
平野「そんな見張んなくても…何もしねぇよ。」
永瀬「そう?けど、紫耀は油断ならんやん笑
俺のとき強引やったよなぁ?…覚えとる?」
平野「…だから、それは悪かったって!」
廉が…
俺の口元を塞いだあと、耳打ちする…。
永瀬「そんな声荒げたら…バレんで?
お前の大切な仲間に軽蔑されたくないやろ?」
動揺を隠せなかった俺の瞳に
満足したかのように廉が笑う。
永瀬「ハハッ!嘘うそ!冗談やん!笑」
相変わらず冗談と言いながら冗談にならないことを
言う廉に気持ち悪さを感じながら、
怪しまれないように平静を装いつつ席に戻っては
4人で会話を再開する。
―――どちらからともなく
お互いに、仕事の話は避けて。
思い出話やら、最近あったおもろい話とか当たり
障りのない話しとる間に海人の誕生日になっとって。
永瀬「あ…誕生日来てもーてるやん。」
岸「ガチじゃん!てか、主役寝てるし笑」
神宮寺「海人のお誕生日も一緒に祝えるように
この日にしたのにねぇ?笑」
平野「…マジで考えてほしいわ笑」
永瀬「ほんましゃーないよなぁ?苦笑
まぁ…、ちょっと起こしてくるわ。」
神宮寺「あっ、別にいいよ?疲れてんじゃない?
寝かせてやろうよ。」
優しいじんらしいそのセリフに
相変わらずやなぁ、なんてじんわりする。
永瀬「あーー…その気持ちはありがたいねんけど…
海人、そういうん引きずるから起こしてくるわ。」
神宮寺「…へぇ?何でもわかるんだね?
廉は。海人のこと。」
なんて、ほくそ笑むじんに心の中で
前言撤回しては「…だるっ!
このお兄さん、くっそだるいわっ!」
苦笑しながら、海人の眠る寝室に向かう。
「かいとー」ドア付近から呼びかけてみると
パチッと目を開け、飛び起きた海人に逆にビビる。
「えっ!?…寝てた?!」
「おもっきしな苦笑」
「うわぁぁやっちゃった…
せっかく集まれたのに!」
「しゃーないやん。」