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【KP】BL

第3章 【交錯する想い】






その日お互いにその後の予定がなかったオレたちは
そのまま紫耀と過ごすことになって。


“今日飲みに行くから廉の家行かないね”
と廉に一言連絡する。


タイミングが悪かったらしく既読がつかなくて、
紫耀とご飯を食べてるときに返信がきたから


「ごめん、紫耀ちょっと携帯触っていい?」

「ん、いいよ。何? カノジョ?笑」

「もー、そんなんじゃないって!笑」

「そんなんじゃないか笑
 ま、大事な時期だしな。お互い。」

「ホントにそれだし!笑 廉だよ。」

「……廉?」




その名前はある意味、
カノジョより俺には堪えるんだけど…。


そんなことを思いながら
いつもよりキツく香水を香らせては
俺の独りよがりな独占欲を海人に纏わせる。




自分でも思うよ、ダサいって。
隣にいられないくせにって…。




でも、もし…海人が
本当に嘘をついていたとしたら、、


鼻の利く廉だから、
俺の香水の香りの染み付いた海人を
きっと、見逃しはしないよな…。


“わかった。じゃあ海人の家で待ってるな”

“何時になるかわかんないよ?”

“うん”

“多分、遅くなるから…
先に寝とくって約束するならいいよ”

“I promise笑” 

“笑! あっ! ちゃんとベッドで寝ないとだよ?
昨日みたいにソファで寝たりしないで!”

“わっかりましたー”




***




お久しぶりの紫耀だったのもあって本当に楽しくて
なんだか帰るのがもったいなくって、、


「今日楽しかったなぁ〜! 紫耀ありがと!」
バイバイって手を振ったオレの反対の手を掴まれて…


「……また、逢える?」って真剣な顔の紫耀。

「? 会えるでしょ??
 だってオレたち…友だちじゃん?笑」


友だち―――…。


「だよな笑」って無理やり作った笑顔の下で
『友だち』っていう肩書きのおかげで
ギリギリお前と一緒に
いられている現実に落ち込んでくる…。


「紫耀、どうしたの?」


聞いてくんなよ、そんなこと…。
何にも知らないクセに。


『廉の待つ家にお前を帰したくない…』

 
そんなことを言えるはずもない俺は
「なんでもないよ」っていつもと同じ顔で笑って
別れることしかできなくて、。


この俺を脇役に徹させるなんて、
後にも先にもお前らくらいだろうな…苦笑








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