第32章 【花に想いを】【ソムな関係】
「えっとね、あの…ホントはまだ秘密なんだけど、
マルコ、エトロ辞めるんだって。」
「…は? マルコって、お前の腰抱いとった人?」
「腰って…廉、どんな覚え方なの 苦笑
うん、まぁ、、その人、かな。」
どんな覚え方って…、しゃーないやん。
ムカついたんやもん。
「でね、マルコから『エトロのディレクターじゃ
なくなった僕は嫌いかな?』って訊かれて…
思ったの。
ファンの子にとってのオレらもそうなのかもって。
勿論、そうじゃなくなったからってその人が
変わるわけじゃないんだから、マルコのことが
好きってことには変わりないんだけど、でも…
上手く言えないんだけど、求められる限り
廉とずっとキンプリでいたいって…
改めて思ったんだよね。」
待って。
むっちゃいいこと言っとる気はするけど
気になること多すぎて、話が全っっ然入ってこん!
まずもって
『エトロじゃなくなった僕は嫌い?』って…何なん。
それって海人ちゃんと、口説かれとらん?
いや、そもそもな? まだ公表前の情報を海人が
知っとることも引っかかるんよ。
『コレ、オフレコだよ。カイトだからトクベツ』
とか、耳打ちされたとかやないん!
「……れぇん? ねぇ、れんってば! 聴いてる?」
なんて、水分を多く含んだ瞳で俺を覗き込んでくる
コイツはほんま…あざとい。
「…おん、勿論聴いとるよ。海人と守ってきた
キンプリはこれからも大切にしたいよな」
「うん!」
「…まぁ、それはそれとして。
そうなったら海人とエトロの契約はどうなるん?」
「あー…それもね、先のことはまだわかんないみたい。
たださ、エトロと自分のアートワークのコラボで
いつか、マフラーとか作れたら嬉しいなって
思ってたから…」
オレが前々から温めてきた願望を口にすると
廉がパンっと手を合わせて頷いた。
「あっ! それでやったん?」
「えっ…なになに?」
「いや、前に俺が海人にマフラープレゼントしたい
って言うたとき『何で好きでもない男から』とか
やたらツンケンしてきたときあったやん!
それ、先越されそうで嫌やったってこと?笑」