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【KP】BL

第26章 【重課金カップル】






「それに…そんなん言っちゃったらさ、オレ
 しょっちゅう失くし物して迷惑かけてるし笑」


海人ってやっぱ、優しいなぁ…って思う。


こないた花屋でバイトレしたときは
『可愛い子のトゲ抜くの得意なんで』
なんてドヤ顔で言うたもんの…


海人こそ、トゲ抜きの天才かもしらん。


「廉?右手、出して。」

「……右手?」


海人がにっこりと微笑んでポケットから
取り出した四角い箱に収まっていたリングを
俺の薬指に嵌める。


「おんなじブレスレットプレゼントしたらさ?
 出てきてくれたときダブっちゃうから…
 こっちにした。」


それは…俺が失くしたブレスレットと、
おんなじシリーズの指輪で。


指輪なんか『固く結ばれた絆』
を象徴するシリーズの最たるもんで。。


俺はアクセサリーに意味合いを持たせる
タイプちゃうけど、海人は違うから…。


そんなん、どうやったって嬉しいやん…?


海人からプレゼントされた
薬指のリングから視線を逸らせずにおったら
そっと、俺の左手を手に取って
まるで壊れ物に触れるような繊細さで
左手の薬指にキスを落としてきて。


「……こっちは、まだ待ってて」


俺の薬指に唇を触れ合わせたまんま俺に向けてきた
その瞳には…強い意志を宿したような、
何があっても揺るがんような誠実さが宿ってて。


その瞬間だけは、確実に…
俺の世界に海人しかおらんくて。


静まり返ったようなその世界で
手の甲に触れるじんわりとした確かな温もりだけが
俺と海人の世界を繋げていた。


コレが、ファンの間でエロいと噂の唇か…
まぁ、、いまは俺だけのもんやけど。


そんな下らんマウントを心の中でとっとったら
無意識に人差し指で海人の唇を辿っとって。


「エッロ。なに、その物欲しそうな顔…。
 ちょっとぉ、うちの廉さんえっちなんですけど 笑」


なんて、茶化してくるから…


「……嫌い?」


そんなあり得ないことを口にしたかと思えば
オレの唇を辿っていた指を自分の口元に寄せ
思わせぶりに舌を這わせては音を立てて吸ったり
くわえたりしながら艶めかしくオレを誘う廉…


「嫌いじゃないって…知ってるクセに。」

「嫌いじゃない、やなくて。
 ……ちゃんと言うて?」

「もー欲しがりさんだね、廉は 苦笑」







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