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【KP】BL

第25章 【想い人、憑依型につき】






「もー…どっちだっていいじゃん、そんなん。
 ストーリー上必要だったらあるかも。くらいしか
 言えないよ〜だから、観てのお楽しみね!」


どっちだっていいって…
どっちだっていいわけないやん!


そんなん考えとったら
ホンなんかまともに読めんくて…


なんやろ、やけに秒針の音が気になる…。
こういう規則的な音って静けさを際立たせるよな。
なかなか眠れんときもめっちゃ気になるもん。


序盤にBGMがてら流しとったアニメ、
海人が道具取り行ったタイミングで邪魔になるよな
って思って消したけど、こんな気まずいんやったら
消さんかったらよかった…


なんて、そんなことをぐるぐると考えとったら
海人の元気な声で現実に引き戻される。


「ねぇねぇ!見て!結構良くない?」


さっきまで咥えとった小道具のキセルを机に置いて
海人が描いた俺を自慢気に見せてきた。


そこには―――さっきまで俺と喋っとったくせに
いつ描いたん?ってくらいちゃんと描かれとった
海人のフィルター越しの俺。


俺もインライで海人のことをふざけて描いたことは
あったけど、真剣に描かれた自分を見るなんて
経験したことがない不思議な感覚で気恥ずかしい…


「これ…俺なん?お色気ムンムンやん笑」

「だって、廉はお色気ムンムンでしょ!」

「海人にはそう見えるんやな…苦笑」

「見えるとかじゃなくて、そうなの!
 もっと自覚して?全人類そう思ってっから!」

「全人類って。えらい大げさやん…笑
 …それで言うたら海人のこともそう思っとる人
 多いんちゃうん?」

「…そうかなぁ?だってさ、ファンの子なんか
 オレがいくつになっても海ちゃん可愛いー!って
 そればっかだよ?犬かなんかだと思ってんのかな」


海人はこんな風に時々不満を漏らすけど、
そんなことないことを俺は知っとる。


海人は“海ちゃん”でエゴサするから
そういう意見を目にすることが多いだけで、
“海人さん”で検索したら海人の色気にやられとる意見
ボロボロでてくるもん。
(俺、エゴサはせんけどカイサはするからな)


「まぁ、実際可愛いくもあるからそれは仕方ない
 やろ笑 可愛いもカッコいいも含めてファンの人ら
 は海人っていう生命体が好きなんやから」
 
「まぁ、それはありがとうなんだけどさー…」








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