第24章 【ヒミツ遊戯】
時間だけはあるから動画見漁ってるとか、
溜まってんのに抜くタイミングなくてヤバいとか。
言わないじゃん、そんなんフツー。
『あとさーやっぱこの曲よすぎん?
選曲正解やったよな~ライブとか歌番組で
はよ歌いたいよな!』
「えっ?あ、うん!そだね…」
『じゃ、髪乾かして寝ろよな!おやすみー』
「あっうん、おやすみ…」
ふふん、海人どーせ今頃
俺で頭いっぱいやろ笑
まぁ…ここまで来たらもうあとひと押しか。
多分今頃いろいろ過去のこと思い出して
点を繋いで線になってきた頃やろうし笑
やっぱ、恋愛は自分から仕掛けてなんぼやわ!
***
バレンタイン当日。
リハーサルを終えた俺たちは
楽屋のソファに並んで、ひと息つく。
「ライブに来てくれたティアラには観てもらえた
けどさ?今日やっとみんなに観てもらえるね!
しかもバレンタインの日ってのがまた最高じゃない?」
「やんなぁ!やっぱ、めちゃくちゃこの曲いいよな。」
「ほんとそれ!!アイドルやっててよかった~
って思える曲にまた出会えたよね♪
てかさ、廉、さすがにもうタイプロ観た?!」
「や、観とらんけど…苦笑」
「ねぇ!何で?!オレ結構プレゼンしてたよね?笑
廉と一緒に予想とかして楽しみたかったのにさ!」
またこの話かぁ、と苦笑しつつ
何かにハマってるときはその話をしたがって
ウズウズして何度もアタックしてくる海人が
海人らしくてめちゃくちゃ可愛い。
「観る観る笑 来週くらいに観るから笑」
「遅ぇっすわ笑
もう明日メンバー発表されちゃうんすよ!笑」
「別に…俺とせんくても楽しんどったやん。
ライブ後飯食い行ったときスタッフさんのテーブルで」
「それはそれじゃん!
オレは廉と楽しみたかったのに…」
「ずいぶんとお楽しみやったと思うけどなぁ?
こっちはさ、海人がおらんくなったテーブルで
海人が大量に頼んだくせしてタイプロ話に夢中で
全っ然食わんかった焼き鳥
結構無理して食っとったからな?」
「それはごめんって!笑 でもさでもさ
絶対廉はハッシーとか好きだと思うんだよねぇ!」
あのときは他に話せる人おったけど、
今日の海人さん
どーしても俺と話したいらしいわ苦笑
「…あぁ、この子?
確かにまぁまぁイケメンやな。
まぁ、俺には負けるけどな笑」