第2章 【愛し生きること~Ren side story~】
「廉、大丈夫?!? 昨日撮影で結構水に
浸かったりしたからかな? えー!!
心配なんだけど!! 熱は…」
入ってくるなり喋りまくるやん…
とか思っとったら
おでこをコツンと当ててきて。
「…ないみたいだね、よかった!
でも、顔色悪いし、なんか目も赤いし…
とりあえず横になろ!!」
俺の家やのに
海人に引っ張られながらリビングに戻る途中で
「えっと…、ベッド行く?
あ、ちがっ!! 変な意味じゃないからね!!
横になった方がいいと思ったから…」
「海人、すっごい喋るやん笑
心配してくれてありがとな?
とりあえず、ソファに横なっとくわ。」
オレは一刻もはやく廉に逢いたかったのに
そう言いながら、クスクス笑う廉は
余裕があるみたいで…
なんだか、おもしろくない。
横になった廉のために肌布団をかけて、
ふと、テーブルの上を見ると…
アイスのカップが2つ、目に入る。
空のカップと
溶けたポッピングシャワーが残ったカップ…。
誰と食べたかなんて、一目、瞭然で…。
「……廉、彼女と逢ってたんだ…」
「ん、あー…うん。」
「てかさ、
彼女も片付けくらいしてったらどうかな?!」
海人がぷりぷりしながら文句を言うてきて。
「普段はするコなんよ。
別れ話したからそれどころやなくて…
それを片さんかった俺が悪いのよ。ごめんな。」
……何?
なんか、すっごい庇うじゃん…。
「廉って…まだ好きなんじゃない?
そのコのこと。」
そんなことないって、
オレのことだけ好きだよって
言ってくれるかと思ったのに…
「……うん。好きよ。
多分、あのコより好きな女のコは現れんと思うわ。
だからまぁ…、ある意味、永久欠番やな笑」
なんて悪気なく言ってくる廉、どう思う?!
「…へぇ?じゃあ別れたくなかった?
でも別に…俺が無理矢理
別れさせたわけじゃないからね?
廉からお互いだけのもんでおりたい
って言ってきたんじゃん!?」
「…わかっとるよ。やから俺も別に
海人のせいなんか一言も言うて無いやん。
自分、機嫌悪いなぁ…苦笑」
「廉のせいだし!!」
「やから、最初に言うたやん。
今日やないとあかん?って。」
「もう…じゃあ、いいよ!
今日は帰るから!!」
玄関の方に向かおうとしたオレの手を
ひっぱってくるから…