第23章 【不自由な僕たちは】
「なぁ!聞いとった?!
またいつでも遊びおいでって!」
「う、うん、」
「イケメンでよかったわー笑」
「もう、ママ、まじでハズい。。」
「笑 可愛いママさんやん笑
あ!!そしたらこうせん?俺は平気やけど、
髙橋くんが人に見られんの嫌ならときどき
おうちデートしたい!なぁ!ええやろ?!」
そうやってらんらんと輝く目でオレを誘う
永瀬くんの気持ちをもっと、信じたいと思った。
むしろ、信じられないのは
さっきの自分の豹変ぶりで―――
「い、いいけど、でも…
さっきみたいに我慢できなくなって
オレまた、襲っちゃうかも、だけど、、」
「…ええよ?むしろ、、」
そう言い残してはオレの耳元に唇を寄せて
「それ込みなんがおうちデートやろ?」
小声で誘いながらふぅっと息を吹きかけてくるから
ぞわっと全身が粟立ったオレは熱が集まった耳に
手を当てて熱を逃がしつつ永瀬くんと距離をとる。
そんなオレの様子に笑いながら
「つきましては…おうちデートのとき限定で
名前呼びを提案したいと思います!」
「…おうちデート限定で?」
「おん!俺的には日常的希望なんやけど
髙橋くんがそれはどうも抵抗があるみたいやから
俺的な折衷案ですけど…どう?
どう?っちゅーか…
ちゅーとか、その先になったとき髙橋くんと
永瀬くんやと呼びにくいからここは譲れん!!」
「わ、わかった…」
「よっしゃ、決まりな?
ほんなら誓いのファーストバイトすんで!」
スプーンで大きめにチーズケーキを掬って
「おうちデートんときは俺のコト
廉って呼ぶやんな?!ほら!口開け!」
「こ、これじゃ誓いというより脅迫じゃん…苦笑」
「うっさい!呼ぶの、呼ばんの?!」
「わかったって、廉…」
「えっ?!もっかい!もっかい言うて!!」
「改めてそう言われるとハズいから無理…苦笑」
「もーー!!じゃあ、俺からするわ!
僕はおうちデートのときかいとって呼びます!
ほら!口開け!」
「えっ今度も、オレ?!笑」
「さっき食べさせとらんし、そんなちっこいことは
気にせんと、あーんしたらええやん!笑」
「わ、わかった…苦笑」
「食うた?!」
「ま、まだだよ…せっかちだなぁ。。」
ケーキをもごもごと飲み込みながら
小さく文句を言う。