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【KP】BL

第2章 【愛し生きること~Ren side story~】






もうきっと、
二度と逢うことはない貴方のことを
永遠に忘れられそうにない
バカな私に自分で呆れちゃうよ…苦笑




もっと、隣で笑っていたかったし、
もっと、くだらない時間を一緒に過ごしたかった…




ズット、スキダヨ。
ゼンブ、スキダヨ。




言えるはずもない言葉を
いくつも飲み込んで。


それらは降り積もって
溢れて、、
零れ落ちる―――…。




でも、安心して?
それを貴方に渡して
困らせたりはしないから。


この気持ちをそっと、大切に
心の中にしまっておくくらいは、許してよね…。




泣くことしかできなかった私の背中を
廉がずっと、さすってくれてて…。


ようやく落ち着いてきた私は
廉の腕の中をすり抜ける。


「ありがとう、もう大丈夫! …ごめんね?
廉が笑っててって言ってくれたのに
泣いちゃったりして。。…元気でね?」


今度こそ笑顔で廉とお別れできそうな自分に
ホッと胸を撫で下ろす。


「ん…、茉莉花もな…。」


玄関へ向かおうとした私の後ろから
足音が聞こえるから
リビングのドアに手をかけたところで
廉の方を振り返らずに


「ごめん…ここで、お別れしよ?
いま、廉の顔見るのツラい…。」

「…そやね。。」

「あ、合鍵…鍵入れのところに返しとくから
私が出たら鍵、、かけといてね?」

「…わかった。」

「じゃぁ…元気でね?」

「ん、茉莉花も…元気でな?」


廉の言葉に答えるように
後ろ向きのまま手を振って玄関に向かう。




やっぱり、、部屋で別れて正解だった。
玄関出るまでなんて
涙、我慢できなかった…。


靴を履きながら零れ落ちる涙を
自分で拭いながら
玄関を後にする。




すぐには動き出せなかった私が
そのままドアにもたれてると
内側から鍵のかかる音がして…


最後の最後に廉の気配を感じられた私は


「……バイバイ。」と小さく呟いて
ようやく秋の訪れを感じられるようになった街へ
溶け込んで行く。




思い返せば…
どこにも一緒に出掛けたことがなかった
私たちの想い出の場所は廉の家しかなくて。


住みにくい街にならずによかったなって
ホッとしたのも束の間―――…




街のあちこちにデカデカと
貼られている廉と目が合うから


少しだけ、生きづらいよ
廉…







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