第20章 【囚愛の果て】
「…ふふっ。こういうときはね、遠慮なんか
しないでいーの。ありがとうございますって
にこにこしながら奢られといたらいーんだよ?」
優しく微笑みながらドリンクメニューを渡して
くれた増田くんに甘えてご馳走になった。
「そーいや海人さぁ、前は結構俺らのライブ
来てくれてたのに最近来てくれないじゃん?
手越抜けてから1回も来てなくない?!」
「いっ?!あっはい、いや、えっと…」
「マジ淋しいわー涙」
……図星だった。
だけど、いまも増田くんの歌は好きだし、
憧れてるのはウソじゃなくて。
増田くんみたいに人の心に届く歌を歌えたらって
いまも思ってる。
だけど…デビューしてからのオレたちは息つく暇も
ないくらいにいろんなことがありすぎて、、
気がついたらもう5年もNEWSさんのライブには
行けてないことに申し訳なくなったオレは
汗をかいたグラスの水滴が滴り落ちるのを
ただじっと、見つめていた。
「海人海人 笑 そんな気まずそうにされたら
余計気まずいから!…やめて?笑」