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【KP】BL

第20章 【囚愛の果て】






まぁ、このマンションでは正直、日本車の方が珍しい
くらいやから特段気にも留めんと進もうとしたら
夜やのにサングラスをかけた男が降りてきて。


コツコツと靴音を鳴らしながら
徐ろに近づいてきたのは…紫耀やった。


「…久しぶり。廉、元気してた?てか…海人も一緒
 なんて、、びびった。ほんと、仲いいね?」


海人が俯いたまんま立ちつくしとるから
やっぱ、最近の海人の様子おかしかった原因は
紫耀しかおらんよな…と確信した俺は
海人と紫耀の間に割って入る。


「……なん?待ち伏せって…趣味悪ない?苦笑」

「…ダメだった?友だちに会いに来ちゃ。
 守衛さんは顔パスで通してくれたよ?」


…友だち?よぉ言うなぁ…とは思ったけど
めんどくなりそうやったから
聞こえんかったことにした。


「……あかんことないけど、連絡くらい入れろや」

「それはそうだけど、逃げられちゃたまんないしw」

「……は?俺が逃げんといけん理由
 何もないんやけど」

「…ほんとかなぁ?」


サングラスの奥からオレの様子をうかがってる
紫耀の視線を感じて身動きができない…


どうしよう、、心臓が喉元にあるみたいに
ドクドクと脈打って、喉が渇く。

 
「えらい奥歯にモノ挟むやん苦笑
 で、用事は何なん」

「つーか…家にあげてくんない?
 ここで話せるような話でもないからさ」


戸惑ってるオレに気付いた廉が「…大丈夫そ?」
って確認してくれて、正直不安だったけど
廉も一緒ならって小さく頷いた。


廉を真ん中にして並んだオレ達は
廉の部屋に辿り着くまで誰も何も喋らなくて…
エレベーターの中なんか窒息するんじゃないか
ってくらい息苦しくて、死ぬほど気まずかった…。


玄関に入ると「今日はそのまんまええよ」と
使い捨てのスリッパを履くよう促されたオレ達は
廉に続いてリビングに向かう。


「…久しぶりに廉の家来たけど…
 相変わらず綺麗にしてんね」

「それはどーも。
 ……で?要件は何なん?」


ソファーのいつもの場所に座りながら
「てきとーに座って」と廉から声をかけられたけど
紫耀が座らなかったから座りづらくて
ドア付近で立ったまま2人の話を聞いていた。


「相変わらず綺麗にしてるけど、、」


紫耀が部屋を見渡しながら含みを持たせた口ぶりで
廉に近づいて。






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