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【KP】BL

第20章 【囚愛の果て】






「待って。最後まで聞いて?
 ひとりでもちゃんと、幸せに生きられる2人が
 一緒になるからもっと、幸せを感じられるんじゃ
 ないのかなって思うの。だから…」

「……何だよ。お前まさか…
 約束破る気じゃねぇよな?」


海人の指に絡ませてた指を解いて
手首をギリギリと掴む。


「……いたっ離、して…」

「…3ヶ月経ったら帰ってくんだろ?
 なぁ!!帰ってくんだよな?!」

「やめて!大きな声出さないで…」

「お前が帰ってくるって思ってたから我慢
 してたのに話が違うじゃねぇか!!」


紫耀が掴んでた手首を解放してオレの胸ぐらを
掴んだ拍子に点滴スタンドが倒れた。


大きな物音がした病室に巡回中の看護師さんが
慌ただしくノックをした後入室してきて


『平野さん…どうされたんですか!落ち着いて
ください!』と、看護師さんが駆け寄りながら
PHSでスタッフさんに応援を頼んだあと、
胸ぐらを掴まれてたオレから紫耀を引き剝がして
帰るよう促されたので、応援スタッフが押し寄せた
隙に退室して、廊下にへたりこんだ。


紫耀はそんなオレを呼び止める言葉を
ずっと喚いてたけど、薬で抑制されたのか
暫くすると声も物音も聞こえなくなって…


ふらふらと立ち上がって、病院を後にした。





そのまま帰宅したオレは
ジンに入電して経緯をかいつまんで話した。


「……ごめんオレ、、紫耀のこと
 興奮させちゃった…ごめんね…」

「うん……さっき病院から連絡もらった。
 鎮静剤打って、いまは寝てるって…。
 いや、俺こそごめん…なんか、甘く見てたわ」

「オレ、、もう、わかんない…わかんないよ、」

「海人…、大丈夫だから。俺にとって、紫耀は大切な
 メンバーだけど、俺にとっては海人もそうなの。
 ……海人のことも守りたいって思ってるから
 遠慮なく、頼ってね?」

「んっあり、がと…」

「とりあえず、紫耀は明日退院しちゃうから…
 暫くは廉に頼りな?俺から廉に話しといた方が
 いいならそうするけど…海人はどっちがいい?」

「…じん、ありがとう。気持ち嬉しい…
 けど、そこまで迷惑かけられないし大丈夫!」

「わかった。とりあえず明日俺は紫耀と
 話すけど、もし何かあったら連絡して?」


「ありがとう」とじんの存在を頼もしく思いながら
電話を切った。


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