第20章 【囚愛の果て】
「海人といるときの俺ってさ…どーしようもない
やつなの。だけど、海人はそんな俺のこと
赦して、愛してくれてて…
でも俺も…愛してんの。下手な愛し方かもしれない
けど、ものすっごく、、」
「ふっ……今更言われなくても
知ってるよ、そんなこと、」
さも当然かのようにそう言ってくれるじんと
頷きながら聞いてくれる岸くんがありがたくて…
つい、喋りすぎてしまう。
アルコールも入ってないのに…
「俺と海人ならグループ離れてもうまくやれるって…
変な自信もあった。でも、甘かったのかも…。
グループ活動する俺らにとってメンバーって…
特別じゃん?家族とも友達とも恋人とも違うけど
そのどれでもあるみたいな…
いま海人のなかでは、廉が一番なの。
俺にとってのじんと岸くんもそう。
海人はそれを認めてくれてるのに
俺は…海人の一番を廉に、譲れなくて、、」
そんな弱音を吐く俺を甘やかしてくれる2人。
海人は今ごろ、どーしてんのかな…。
昔よりメンタル強くなったとはいえ
ちゃんと頼ったり、甘えられてんのかな、。
2人から甘やかされながら
一瞬だけ、
こんなことが思い浮かんでしまったけど
俺に2人がいてくれるように
海人には廉がいてくれるから…
きっと、大丈夫なんだろうと安心すると同時に
それでもやっぱり、淋しさを募らせて
俺を求めてくれてたら嬉しい、なんて…
やっぱり、俺はどうしようもない―――
***