第20章 【囚愛の果て】

そのもどかしい刺激に不覚にも一瞬、
腰を浮かせた俺を見逃さなかった海人が
口の右端を上げ妖しい笑みを浮かべながら
ゆっくりと、腰を沈めてきて―――


「うっ…」っと小さく呻く紫耀のナカを
みちみちと割り開いていく感覚に頭が白む。


「…やばっ…ねぇ、紫耀んナカさ、
　オレ史上、最高に締まりいんだけど…っ
　なにこれっ、ヤバすぎ…」


油断したら速攻絞り取られるんじゃないか
っていうくらいきゅうきゅうと締め付けてくる肉壁。


いま動いちゃうと一瞬で果てちゃいそうなくらい
気持ちよすぎて、、カリまで挿れたところで
一旦、息を整える。


あぁ…そっかぁ、
よく考えたら…ここも筋肉だもんね。


ゲイ界隈では可愛い系よりガチムチ系とか
ガッチビ系が人気なの、何でなんだろって
ずっと、ずっと、、疑問だったけど…


いま、その理由がわかった気がする。


強すぎる刺激に堪えながら
そんなバカなことを考えてたら


「…いいからっ、早く、終わらせろって…」


まな板の鯉状態のくせに
オレより優位な立場の自分を必死に守ろうとしてる
紫耀が可愛く見えてくるからほんとに不思議…。


それと同時に今まで紫耀に抱かれっぱなしで
オレの中に眠らされてた雄の部分が
ふつふつと滾ってきているのを感じたオレは


強がる紫耀の腰をガッと掴んで
一気に奥まで突き入れる。


突然の痛みに苦悶の表情を浮かべる紫耀も。
その奥に見え隠れする恍惚の表情の紫耀も。


そんな自分を覚られたくなくて
オレの視界から必死に隠れようと
視線を空に彷徨わせてる紫耀の潤んだ瞳も。


自由にならない手をできるだけ自分の顔を隠そうと
恥ずかしさに堪えるように噛まれた紫耀の下唇も。


その全てに煽られて…腰を打ち付けた。


「ふふっ知らなかった笑
　しょーって…受けの才能の塊だったんだね？」

「…おまっ…え、っん…くっ…」




声を必死に我慢しようとしてるのに
硬く結んだ口の端から漏れ出ちゃってる
普段は聴くことができない


紫耀のハスキーで甘美な声。




あの、紫耀が。


世界中から
その美貌に羨望の眼差しが向けられている
あの、平野紫耀が。


オレに揺さぶられて啼いてる…？




言いようのない優越感と支配欲に襲われた
オレは夢中でスプリングを軋ませた。