第20章 【囚愛の果て】
海人は…平和主義の皮を被った狼で、
震えるウサギのフリをして
ずっと、この機を伺ってたのかもしれない。
「あーー…紫耀って、処女?ふふっなーんてねw
なわけないかぁ!笑 可愛がられてたもんねぇ?」
「っ、お前…っ!」
サイドテーブルからローションを取り出し、
わざとらしく高いところから左手を受け皿に
ローションをトロトロと垂らす。
紫耀の目の前で
見せつけるように…
それを素直に視線で追う紫耀は
相変わらず口先だけでは抵抗してくるくせに
カラダは正直でちゃんと、反応してて…
「ほら…気持ちよさそうでしょ?
ふふっ紫耀ってば、腰揺れちゃってるじゃあんw
我慢しないでお願いしたら?
挿れてくださいって…」
手のひらに垂らしたローションを窄まりに塗り拡げ
中指で入り口をトントンと叩きながら促す。
「はっ?誰が言うか!!くそっ!」
たまらず顔を背けた俺の顎が
濡れた海人の指先に捕らわれて
重ねられた唇から強引に舌が捩じ込まれる。
いつもは下唇をおずおずと食んでくるくせに
ガッツリ上唇を食んできて…
海人から感じた明確な意思に
せめてもの抵抗で下唇を噛んだ。
「っつ…!」
紫耀に噛まれて滲んだ唇の血を手の甲で拭う。
「……あはっ!あはは!なに?
その反抗的な目…最高なんだけど!笑
紫耀のキレイな顔が際立って、たまんないわ、、」
さっきローションを垂らした後孔に中指を挿入すると
それはいとも簡単に飲み込まれて―――
「…ふはっズブズブw」
普段は見れない反応を楽しみながら
指を増やして紫耀のカラダを暴いていく。
「うっ…はっ…ぁ、くっ…そ」
涙を目尻に浮かべながら快楽をやり過ごし
小刻みにカラダを震わせながら堪えて
快感に溺れまいと必死に踏みとどまろうとする
紫耀は、ものすっごく唆るものがあって…
「ふふっ痛みで感じちゃうんなら
あんま慣らしちゃ勿体ないから…
もう、挿れちゃうね?」
涙で滲んできた視界の向こうに
端を咥えてゴムの袋を余裕なく破る海人を捉えて
さっき海人に貫通されたへその奥がズクりと疼いた。
海人が膝裏に腕を通して持ち上げ、
拡げさせられた窄まりを
滑らかな熱でグリグリと刺激してくる。