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【KP】BL

第22章 【ウォッカギブソン】






ふふって笑いながら急に俺の顔を
覗いてくるもんやからたまったもんやない…。


「…そうでもないけどな、」
こんな風に好きな人の恋愛話を聞いてやる程度には、
なんて…心の中でこっそりと苦笑する。


「絶対、上手くやってるってぇ!」
酒が回っていつもより口の回っとらん
俺の相方の海人は…ひと言で言えば、恋愛体質。


職業柄、もう少し控えめな方がええんちゃう?
と思っとったこともあるし
上からそう助言されて、我慢しとった時期もある。


ただ、そういう時期の海人は露骨に元気なくて。
おまけに夜、寝れんくなるわ
突然連絡してきて、今から行っていい?だの、
不安定になってメンヘラムーブかますもんやから、
事務所の人間も容認せざるをえんのが現状。


やし、俺的には
カノジョ作らんでほしいわけでもない。


我ながら矛盾しとるとは思うし、
どういえば伝わるんかもわからんけど…


むしろ恋愛体質やない海人は
俺が惚れとる海人やないんやない?
とすら思えて。


俺が好きな海人は…周りが見えんくなるくらい
没頭して、自分の思考に深く潜って
俺が思いもつかんもんを生み出せる海人。


それは対恋愛でも同じことで…
恋愛からいろんなものを得て
情熱的なダンスを踊る海人をかっこえぇなと思うし
複雑な感情を歌や演技に孕ませて、感情を
揺さぶることができる海人のこと…尊敬しとる。


それに、そもそも…俺は海人が好きやけど、
海人とどうこうなりたいわけでは決してなくて。


そんな終わりがいつか来るかもわからん関係を
うっかり始めちゃって
万が一、海人を失うことになったら―――


そんなん、想像するだけで耐えられん。


やから、この気持ちは一生伝えるつもりはないし。
俺はただ…海人が笑っとってくれたら、
その手伝いを少しでもできたらそれでよくて。


「てか…廉ってマジ最高だよね!頼りになるわ
優しいわ、俺のことめっちゃ認めてくれるわ
ピンチのときはこうやって寄り添ってくれるわ
マジで神なんだけど…!」

「まぁ…どんなときも海人の一番の理解者で
おりたいとは思っとるから」


そして願わくば、誰よりも一番傍で
海人の笑顔を守ることができたら―――。


「れぇん…ずっと、傍にいてね?オレ、、
廉がいなくなったら生きていけない自信ある…」
















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