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【KP】BL

第20章 【囚愛の果て】











この人は誰だろう…。
あんなに憧れてた紫耀が
今はこんなに、オレに縋ってるの…?



「ふーん、そんなに手放したくないんだ。オレのこと
 ならまだここにいてあげなくもないけど…

 けど、忘れないで。
 あんまり窮屈だと逃げちゃうから…ね?」




捕らえたと思ってたのに
囚われてたのは―――




「あっいいこと思いついたぁ!」


無邪気に浮かべる海人の笑顔に寒気がした。


「お揃いのところにピアス、開けよ?」

「は?何言ってんの、お前…」


戸惑う俺の手を取って寝室に向かう海人が
サイドテーブルからおもむろに手錠を取り出し、
ベッドフレームに取り付ける。



「本気で抵抗されたら紫耀には敵わないから…
 ちょっとだけ、我慢してね?」

「お前!やめろって!!」

「……いいよ?やめても。
 そのかわり、もう二度と紫耀には逢わないけど」


何も言い返せないでいた俺を返事として
受け取った海人がベッドに押し倒して
俺の両手首に手錠をかけてベッドフレームに拘束する。


「同じところにピアス開けるとね?
 深まるんだって、絆。」


ピアッサーをサイドテーブルにコトンと置きながら
海人が続ける。


「オレ、高校卒業したときに紫耀とお揃いのとこに
 開けたじゃん?でもオレがどれだけ想っても
 紫耀はそれじゃ足りないみたいだから…」


ベラベラとごたくを並べながら
手際よく準備をする海人…。


こいつ、最初からこのつもりで―――


「じゃあまず、オレからいくね?」

「……おまっ!ちょっ待てって!
 そこに開けんの!?」

「だって…また耳じゃちょっと、弱いじゃん?
 だから、、」


勢いよく目を瞑ったあとバチン!!!
という痛々しい音と、海人の声が寝室に響いた。


「……おいっ海人…大丈夫か?」

「いったかったぁ…!!けど、大丈夫。
 我慢できるくらいのやつだったから…
 じゃあ次は紫耀の番、ね?」


服の裾を捲ってさっき開けたばかりの
ピアスホールを見せる。


「ふふっ紫耀震えてる…怖いの?」

「は?!…んなわけ!」

「まぁ、ほんとは目隠しもしたいとこだけどさぁ
 視覚奪われると痛み、増しちゃうから…
 さすがにそれは可哀想だからやめたげるね?」


















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