第21章 【囚われてたのは〜Ren side story〜】
やから自然にグループ仕事のとき、海人と、
必然的にメンバーと距離を取るようになった。
やのに、こっちの気も知らんと
ときどき海人が俺を探しに来ては
「みんなと過ごそうよー!」
とかひっついてくるから…困る。
*
まぁ、そうこうしよるうちに
グループの岐路に立たされることとなったわけやけど
海人が仕事のパートナーに選んだのは…俺やった。
「…紫耀と一緒やなくていいん?」
俺はそらもう、、
いろっんな意味を含めてそう訊いた、つもり。
そしたら
「紫耀はオレに楽しいことをたくさん教えてくれて
いろんな影響を与えてくれた人だけど
正直ついていけないところもあるっていうか…
曲げられないところも、あるから。」
これまたいろっっんな意味を含んでそうな
答えが返ってきまして!!
やから、決めたんよ。
海人が俺に言うてくるまでは
知らんふり、続けようって。
あと、やっぱときどきメンタル崩れてんのが
オレ的には気になっとって…
いままでもそうしてきたつもりやけど
2人になったらより、海人のこと
認めて、肯定して、大切にして…
海人が自分自身を愛せて
紫耀に縋らんでも生きられるように
自分軸で決断できるように支えようって決めた。
海人のコンディションの悪そうなときは
海人をメシに誘って、話を聞いてメンサポする。
コンディションの悪そうなときが増えてきたときは
紫耀しっかりせぇよ!
と心のなかで喝を飛ばしたりして。
まぁ、その甲斐あって海人との関係は
随分、深くなったと思う。
前から海人とは仲良かったけど、今はそれの比
やないくらい過去イチの仲やと自負しとるし、
海人にとってもそうやと思う。
これは自惚れやなくて。
けど、最近困っとることがあって…
雑誌の撮影が、しんどい。
2人になってからそういう…要望が増えてきたし
紫耀のおかげかしらんけど、
海人にドキッとさせられる場面が増えた。
なんなん、これ…
けど、意識してんのがバレることほど
ハズいことないから意識せんように意識するんやけど
もうそれって意識してるでしかないやん…苦笑
「廉」
海人は撮影で距離が近づくときも
俺の名前を呼ぶ。
しかもいつもと違って、ちょっと、きっぱりと。
無駄にドキドキするんで、やめてほしい。