第20章 【囚われてたのは…】
「ねぇ、岸くんってずっとジンに一途だよね笑」
俺らの動画を観ていた海人が話しかけてくる。
「あーそれな!笑 マジでさ、言ってること
ただのファンだから笑 こんなに髪の毛
濡らしてくるとは聞いてないとかヤバいよね笑」
「ふふっ、この2人はないの?そーいうの。」
「ないんじゃね?
3人グループでそんなことになったら
俺がいたたまれなくて可哀想すぎんだろ!苦笑」
「たしかにー笑」
「まぁ、岸くんはジンがその気になったら
わかんないけど。ジンは100パーノンケだから!
俺ら6人のなかでリアルに一番モテんのって
ジンじゃん?まぁ…、お盛んですよ笑」
「あー、今もなんだぁ笑」
そんな他愛もないことを話してたら、
ムカつく写真が目に入ったから
海人を問い詰める。
「なぁ、、何てカメラマンから指示されたら
こういう表情になんの??
事後の雰囲気でお願いします?
それとも、これから致す感じで!とか?」
「そ、それは…指示はされてないよ。
なんか、自然に…」
はぁ?!そっちのがやなんですけど!!!
ふざけてんの?!
「ふーん、なんか自然にこうなっちゃうんだ。
エッチだね、海人は。
そりゃそうだよね?俺とあんなことしてんだし。
普通のセックスじゃ満足できないカラダだもんね?」
「意地悪言わないで…」
「ハッ!よく言うわ笑
どーせ、今も興奮してんだろ?」
突然、紫耀が触れてきて―――
「…ほら、な笑」なんて、、嘲笑う。
「この…インラン。」
地を這うような紫耀の低音が耳元で響いて
全身に駆け巡る快楽。
そのオレを繋ぎ止めるように口内を犯していた
紫耀の舌が離れて。
「あ、いいこと思いついた。
今度さ、廉とヤッてこいよ。
どっちがどっちでもいーからさ。」
「なっ何言ってんの?!
そんなの、そんなのダメに決まってるじゃん!!」
「何でダメに決まってんの?
俺とこんなことしといて、ダメもねぇだろ苦笑」
「廉は…廉との関係だけは壊したくないんだよ、」
「はっ?お前っバカにしてんの?!
それがムカつくって言ってんだよ!
海人も廉も…いつまでも初恋し合ってる
みたいな表情しやがって!!」
「……何が悪いの?」
「開き直んのか、お前!」
縋ってこいよ、いつもみたいに…。
なのに、この日の海人はそうしなかった。