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【KP】BL

第16章 【いつの日のキミも】






「俺は付き合わされたなんか思ってへんし
かいくんと一日過ごせて楽しかったし!
まぁ、どうなるかわからんけど、とりあえず
今日一日楽しんで、また明日一緒に考えようや!」

「はい…」

「…もう、、泣かんの!笑
心細いのはわかるけど…俺がおるやん?」

「はい…」
ぐすぐすしながら答える海人を連れて
東京タワーに向かう。


初めて来てみたけど…こんなに人おるん?!
誘ってみたもんの、甘かったんかも…
エレベーターに乗ろうとごったがえしとる
群衆を見て、そんなことを思っとったら


「…あっ、倖生さん、階段からも行けるみたい
ですよ…?」なんて海人が耳打ちしてくる。


「ごめん。多分むっちゃきついけど、えぇ…?」

「全然、大丈夫です!狭いエレベーターの中で
騒がれちゃったら大変そうですもんね…」


そんな海人の言葉に甘えて
階段から展望デッキを目指す。


暫く登ったところでTシャツの裾を掴まれたから
振り返ると、顔色の悪い海人がおって…。
「こっ倖生さん…あの、僕…」
そのまましゃがみ込む。


あっ…そうや、しまった…!!
海人、高いトコ苦手なんやった!


前にロケでヘリに乗ったとき
震えとった海人の手をずっと、
じんが握っとったことを思い出した俺は
慌ててしゃがみ込んで海人を抱きしめる。


「…こうしとったら怖くないやろ?」

「ごっごめんなさい、僕から言いだしたのに
僕、高いところ苦手って…忘れてて。」

「…そうなん?忘れてたん?笑」
腕の中に海人を納めては改めて思う。
華奢よなぁって…。


それなのに、今はあんなに…


俺を組み敷いとる海人が
俺の脳内で俺にシグナルを鳴らす。


「ごめんなさい、嘘です。」

「…嘘なん?苦笑」


ぎゅって抱きしめ返してきた海人が


「もう少しだけ、一緒にいたくて、、」


なんて言うてくるもんやから、
触れ合っとった汗ばんだ素肌が
急に、湿度を帯びる。


抱きしめとった腕を緩めて見つめると
海人が…瞳を閉じてきて。


あ、これ…
あかんやつや…。


「…えぇの?」

「許可取るタイプなんですね」


その誘うような視線に、
その言葉に、煽られて…


海人に抱かれるようになって眠っとったハズの
俺の中のオスの部分が牙をむく。


海人、ごめん―――。



















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