第16章 【いつの日のキミも】
海人の顎のラインに指を添わせ
そのまま海人の唇に吸い込まれるように
顔を近づける―――
「ーん!」
「れぇーーん!!」
…ん?れん??
「れんってば!もうお昼だよ?
起きてってば!ねぇ!!」
「…んぁ?」
「今日撮休になったから久しぶりに一緒に
過ごそうって廉から誘ってくれたんじゃーん!」
「…か…いと?」
「そうだよ!オレ以外いないでしょ!」
「俺のこと、わかる?」
「え、なに?わかるに決まってんじゃん!
もー、寝ぼけてんの?笑」
呆れ顔で海人に笑われる。
てことは…夢?
なんなん、欲求不満なん、俺…苦笑
けど、相手は海人やから。
夢の中にも嫉妬する海人やけど
今回だけは許されたい…
「あ―…もうちょい寝てえぇ?」
「えっ何で?!」
「まぁ…いいやん、何ででも。
もうちょっとだけ…」
「えっ何かヤダ!えっ?!」
「…1時間くらい起こさんとってな?」
「えっ!1時って何?何の時間?!
ねぇ!それ絶対夢で誰かと会うつもりじゃん!涙」
「おやすみー」
「ねぇ!なんか、やだ!!
ねぇ!寝ないでよぉ!!涙」
「愛してんで。海人…」
「う…廉ってホント、ズルい。。」
意識を手放しながら思う。
今までの海人も、
今の海人も、
未来の海人も、、
いつの日の海人もきっと、
愛しちゃうんやろうなぁって。